Windows 10 でフロッピーディスクのデータを読み込む方法

2020/06/01

パソコン

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フロッピーディスク

いまでは、ほとんどフロッピーディスク(FD)を使用しないため、FDドライブを内蔵しているパソコンはほとんどありません。しかし、ごくまれにFDに保存した古いデータが必要になることがあります。
FDに保存したデータを活用するための、Windows 10 のパソコンでFDを読み込む方法を紹介します。

※この記事で扱うFDは、3.5インチです。そのほかのサイズのFDは対象外です。

目次


フロッピーディスクの種類に注意

フロッピーディスク(FD)を読み込むには、FDドライブが必要です。

ところが、FDにはさまざまな種類があるため、手持ちのFDに合ったFDドライブが必要です。まずは、所有しているFDの種類を確認してください。

フロッピーディスクのサイズ

FDは、樹脂製のケースの中に磁性体を塗布した円盤が内蔵されています。この内蔵された円盤のサイズによって、FDは大きく3種類に分かれます。
  • 8インチFD……もっともサイズの大きなFD。あまりFDが普及していないころに使用されていたFDで、Windowsパソコンに接続できるFDドライブは流通していない
  • 5インチFD(正確には5.25インチ)……8インチFDのサイズを縮小したもの。多くのパソコンで採用されていた。USBで接続できるFDドライブは流通していない。内蔵用のFDドライブを接続する、SCSIの外付けFDドライブを接続するなどの方法で使用可能だが、技術に関する知識が必要になる
  • 3.5インチ……円盤を丈夫な樹脂製のケースに格納したFD。5インチFDはWindowsが標準になると次第に姿を消したが、3.5インチFDはその後も使用され続けた。USBで接続できるFDドライブが流通しているため、いまでもデータを読み込める
FDのサイズの種類
(参考:IT用語辞典BINARY リンク

フロッピーディスクの記録容量

同じ3.5インチFDでも、データを記録できる容量によってさらに種類が分かれます。
  • 2DD……720KBまで記録できるFD
  • 2HD……1.44MBまたは1.25MB(正確には1.23MB)まで記録できるFD。1.44MBの規格はIBMのパソコンで、1.25MBの規格はPC-9801シリーズで採用されていた

注意が必要なのは、2HDの容量が2種類あることです。FDドライブによっては、1.44MBの2HDしか読み込めないので、所有しているFDが1.44MBと1.25MB のどちらなのかを確認しておきましょう。
2DDと2HD

1.44MBと1.25MBの2HDの判別法

FDが1.44MBと1.25MBのどちらなのかを、外見から判別する方法はありません。FDによっては、表面に1.44MBと書かれているものもありますが、なにも書かれていないのが一般的です。絶対的なものではありませんが、次のようにおおまかに分類できます。
  • 1.25MB……PC-9801シリーズで使用されていた
  • 1.44MB……IBM PC、Windowsで使用されていた
※PC98で動作していたWindowsの場合、1.25MBの2HDの可能性がある

フロッピーディスクドライブを用意する

3.5インチのフロッピーディスク(FD)であれば、対応するFDドライブを購入するのは簡単です。AmazonでさまざまなメーカーのFDドライブが販売されています。
FDドライブ

FDドライブを購入するときのポイント

USB接続のFDドライブを選ぶ

いま流通しているパソコンに接続するのであれば、USB接続のFDドライブを選んでください。パソコンに内蔵するタイプのFDドライブの場合、ハードの知識や技術が必要です。

対応するFDに注意する

FDドライブは、大きく分けて2種類あります。
  • 一般的なFDドライブ……1.44MBの2HDと2DDのFDが読み込める
  • 3モード対応のFDドライブ……1.25MBと1.44MBの2HDと2DDのFDが読み込める
FDドライブの種類

一般的に「3モード対応」と書かれていないFDドライブは、1.44MBの2HDしか読み込めません。PC-9801のFDを使いたい場合は、3モード対応のFDドライブを選んでください。

■3モード対応 FDドライブ
■FDドライブ ※3モード非対応

フロッピーディスクドライブの導入

FDドライブを用意したら、USBでパソコンと接続します。それだけでWindowsは、FDドライブを認識して、使用できるようになります。
あとはFDとFDドライブに挿入して、「PC」の「デバイスとドライブ」に表示されたFDドライブのアイコンをダブルクリックすれば、FDのなかを確認できます。
※FDドライブは、Aドライブとして認識されます。

FDドライブのアイコン

フロッピーディスクが認識されない場合

まれにFDドライブが認識されず、「PC」の「デバイスとドライブ」にFDドライブのアイコンが表示されないことがあります。

原因として、FDドライブのドライバーが破損している、バージョンが古くなっているなどが考えられます。ドライバーをインストールし直せば、FDドライブが認識されるようになります。

FDドライブのドライバーは、Windows 10 に最初から用意されているので、メーカーのサイトからダウンロードする必要はありません。

ドライバーとは

パソコンと接続した機器が、Windowsで使用できるようにするプログラムのこと。接続する機器のメーカーが用意しているほか、Windowsが最初から用意していることもある。

ドライバーを更新する方法

FDドライブのドライバを更新するため、次の手順で「デバイスとプリンター」のウィンドウを表示させてください。

  • コントロールパネルを表示する
スタートメニュー>すべてのアプリ>Windows システム ツール>コントロール パネル
  • デバイスとプリンターを表示する
ハードウェアとサウンド>デバイスとプリンターの表示

「デバイスとプリンター」のウィンドウが表示されたら、未設定にあるFDドライブのアイコンを左クリックして、メニューを表示させます。

メニューを表示
左クリックでメニューを表示する

メニューから「トラブルシューティング」を選択すると、問題の検出を行うウィンドウが表示されます。問題の検出には、数分ほどかかります。

問題の検出

トラブルシューティングを行うデバイスを選択して、クリックします。その後に表示されるウィンドウで「この修正を適用します」をクリックしてください。クリックしたあとは、ほかの問題について検出が行われます。

トラブルシューティング

修正を適用する

その他の問題を検出

問題の検出、修正の適用が完了すると、パソコンの再起動を促すウィンドウが表示されます。パソコンを再起動すると、修正したドライバーが適用されて、FDドライブが使用できるようになります。

PCの再起動

ドライバーが更新されて「PC」にFDドライブのアイコンが表示されます。

FDドライブアイコン

フロッピーディスクを読み込む

FDドライブの各部分の名称

FDドライブ正面
  1. スロット……FDの挿入口。FDの裏表を間違えないように注意する
  2. アクセスランプ……FDのデータを読み込む、書き込むときに点灯する。点灯時はFDを取り出さないようにする
  3. イジェクトボタン……挿入したFDを取り出すときに押す

FDドライブをパソコンに接続する

FDドライブとパソコンをUSBで接続します。FDドライブとパソコンを接続するときは、USBハブを介さずに接続しましょう。USBハブを介していると、FDドライブが正しく認識されないことがあります。

ドライバーなどが適切に更新されていれば、「PC」にFDドライブのアイコンが表示されます。FDドライブは、基本的にAドライブになります。

フロッピーディスクのデータを読み込む

FDをFDドライブのスロットに挿入します。FDがドライブに完全に挿入されるように指で押し込んでください。

FDを挿入する

FDをFDドライブに挿入したら、FDドライブのアイコンをダブルクリックしてください。


すると、FDドライブがFDのデータを読み込みます。FDからデータを読み込んでいるときは、アクセスランプが点灯します。
アクセスランプが点灯しているときは、イジェクトボタンを押さないでください。FDのデータが破損する原因となります。


FDの内容が表示されます。

FDのファイル

FDのファイルそのものは、ハードディスクに記録されているデータと変わりありません。ドラッグ&ドロップなどして、FDからハードディスクにコピーすることが可能です。

アクセスランプが点灯してないのを確認したら、イジェクトボタンを押して、FDを取り出せます。


フロッピーディスクにデータを記録できない場合

FDには、データの記録やフォーマットを防ぐ機能があります。もしFDが、記録禁止の状態になっているときは、記録ができる状態に変更してください。

FDの表を見ると、左下と右下に小さな穴が開いています。



FDを裏返すと右下になる穴(表から見たときは左下)は、小さなスライドになっていて、スライドを下げると穴が開き、スライドを上げると穴が塞がった状態になります。


スライドは、それぞれ次の状態を表します。
  • スライドが開いている……記録、フォーマット禁止
  • スライドが塞がっている……記録、フォーマット可能
FDに記録ができないときは、まず、スライドの状態を確認しましょう。

※おことわり:厳密にいうと、フロッピーディスクのサイズ、容量はもっと多くの種類がありますが、この記事では、理解しやすくするため、ポピュラーなものだけに情報を絞っています。

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